いよいよイタリアは夏休みに。
3ヶ月以上の長い夏休みが間も無く
始まったところです。
色々頑張っているので、その様子を
頼もしく目の当たりにしていますが、
気をもむことも様々で、それも日本と
はやや違う揉み方かと思います。
イタリアの学校は基本的に受験がなく、
長い夏休みをとれていいように思えます。
確かにいいと思います。
数週間前まで、どこも学期末試験やら何やら
成績表に影響する課題、質疑応答、試験で
てんやわんやでしたが、いよいよ6月に入ると
社会全体が、ああ、夏休みだから、と少しずつ
緊張感を落としていきます。
中学でもたまに、高校はそれなりの数の
落第者がでるのがイタリアの学校社会。
学校によっては容赦無く、クラスの半分が
脱落して学校を変え、姿を消す場合もあるようです。
そこまで厳しくない学校でも、
この学校は自分には合わなかったと
違う種類の学校に籍を移したりというのは
特に高校最初の数年は多いようです。
イタリアは中学校は3年で高校は5年間。
(ちなみに小学は5年間)
中学まではプログラムは基本的に一緒。
高校に行くと、学校ごとに学ぶ科目が
ずいぶん違ってきます。
勉強大好きさんがいくクラッシコ
理系、言語系、芸術系、音楽系
さらには専門学校の要素を強める
タイプの学校も多く、農学、
情報処理、調理、ツーリズム、
機械、モーダ系と
様々な学校があります。
科目だけではなく、それぞれの学校の
指針・方針も大きく関わります。
成績が追いつかない子は
置きざりにしていく学校。
割と子供達それぞれのニーズを拾い
ケアをしてくれる学校
このあたり、我が子には
どの学校がぴったりなのかを
察するのは本当に至難の業。
子供達本人も、どれがいいかなんて
なかなかわからないものです。
中学が終わるのが、14歳の歳。
さて、高校どこに行く?
この年齢で自分の方向性を
選ばないといけません。
これはなかなか大変な作業。
この点、日本は高校までは基本期に
大抵の場合同じカリキュラムなので
楽な気がします。後はレベルの問題。
イタリアはとりあえず入れるけど
ついて来れないなら、辞去したらいかが
のスタンス。大学なんかはもっとシビア。
このあたりの様子を見てよくわかりました。
ああ、これじゃあ先輩後輩の習慣は
根付かないわね…。
すでに高校から数年違う子供達が
一緒にクラスで勉強している。
1年違いなんてまあまあ当たり前。
2年違い、3年違いもありうる。
1年違いで、センパーイ!なんて
呼ぶのは日本だから。
イタリアでは、別の試練を
子供達は経ていく。
長女の学校生活を見聞し
イタリアの学校の
実態を目の当たりにしています。
ドイツでは小学4年生くらいで
方向性を定める必要があるとか?
子供により、早熟ですでにやりたいことが
明確なタイプもいれば
まだまだ子供っぽい子も多い。
この選択や、学校の在り方になかなか合わず
翻弄されるケースも。
追いついて来れないなら、籍を他に置いたら?
学校とはいえ、この姿勢はとてもシビアで
イタリア大人社会へようこそ、の
最初の入り口だなと感じます。
レールは誰も敷いてくれない。
高校生は、8時から13か14時で
授業が終わるけれど
高校へ通う子供達
昼からずっと家で勉強しています。
もちろん、スポーツも上手に
取り入れていますが。
まあまあ、ガッツリ勉強している。
必要な場合は、塾はないので
家庭教師をお願いするのが一般的。
ここまで書いた内容だけでも
ああ、なぜ日本社会は独自の特徴を保持し
イタリア社会はまた違う性格を持って
いるのかがわかるのではないでしょうか。
基本的には、
国によりいろいろ違いがあっても
なんでも人生勉強の一つだから
ぶち当たる壁一つ一つがいい経験で
彼らの滋養になると思っています。
何よりも、学生時代は
良い先生との出会い、一生付き合える
友との出会いを得てもらいたい。
良き師との出会いは
その青年の人生に
思いもよらない
新たな道を開く…
………….
この記事は2023年6月1日に
松井純子のfacebookタイムラインに
投稿された記事を移したものです。
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