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欧州内・イタリアの高校生留学体験・1

歴史的な交流関係のある国境が陸続きなヨーロッパ諸国。欧州共同体としての繋がりがあり、そこで立ち上がるプロジェクトや予算もあるため、各国では、盛んに高校と大学生の留学体験が行われています。イタリア国の法律として、高校が言語に特化した学校かどうかは無関係に、交換留学諸制度はとても推奨されています。欧州の学生留学というとすぐに頭に思い浮かぶのが、エラスムス計画ですが、他にも留学制度は多岐に渡り存在します。今回は高校3、4年生がよく使う欧州高校の交換留学プロジェクトを我が家の娘が体験中なので、そのお話をお届けします。

留学体験は所属するクラスにより大きく異なるのが印象的。担当の先生の留学に対する興味の度合いにより、積極的に年間授業プログラムに組み入れ行うかどうか大きく左右されるので、この手の体験を得やすいクラス、あまり経験ができないクラスと差ができるようです。先生によるところが大きいのです。

高校生の娘がいる我が家には、今回、ドイツの女子高校生が1週間滞在しに来ました。現在高校3年生の娘は言語に特化した高校に通学。高校の所在地であるフィレンツェ隣の市が、ドイツのとある市と姉妹交流関係を持っていることからオーガナイズできるプロジェクトを採用。この冬の終わりに、20人弱のドイツの高校生グループがフィレンツェにやってきました。

交換留学なので、今回はイタリアに彼らをお迎えし、数ヶ月後に今度はイタリア人の高校生たちが、ドイツの彼らの元へ旅立ちます。ちょうど1週間の滞在。先生が2人引率で付き添い、お互いの町を共に見学したり、夕食会を開いたりします。ドイツ語を学ぶイタリア側の高校生たち、第3言語として学んでいることもあり、あまり得意ではないため、基本、英語でコミュニケーションを図っていました。1週間の間、かなり英語漬けになり、良い体験だったようです。

学生たちは迎え入れるクラスの高校生の自宅に1週間寝泊まりします。我が家は女子高校生を1人受け入れ。これは、受け入れが可能な家庭とそうでない家庭とありますので、クラス内でそのお可能性を募り、できる範囲で対応。そのため、人により数人の学生を預かる家もあります。参加する学生の性別、人数の関係から、男子学生の家に女子学生が泊まることも。その場合は、親御さんも少々気にして、女子学生にプライベートルームを与え、場合により弟は1週間ほどマイルームを取られ親御さんの寝室で1週間寝泊まり、家にいる間も困らないよう親御さんが一緒にいてあげるなど、お互い気持ちよく過ごせるよう工夫、対応しているようです。

やや脱線しますが、イタリア中階級の家庭の家の作りが、大抵の場合、寝室が2つというタイプの家が多いです。そのため、普段は両親が寝室を一つ利用、もう一つの部屋に兄弟が一緒に大きくなっても過ごすという家族の在り方は多いです。そんな場合でも、大抵、居間にソファーベットがあったりするので、若い訪問者が気持ちよく過ごせるよう、ほとんどの家では、子供部屋を一時的に解放しその学生に子供部屋を与え、家の子ども達は、親の寝室や居間に寝る場所を確保し、1週間ややサバイバルに過ごすというケースはかなり多くみられます。

1泊してみて、その家の環境に馴染めず、寝泊まりする家の変更を求めることも。または、子供によっては元々の家庭環境に問題があり、滞在家庭の中で情緒不安定さが見られ、受け入れ側の高校生やその家族の心配が人一倍であったりと、様々なケースが見られましたが、大半の子供たちや親御さんは、良い経験だったと喜んでいたようです。そんな対応は全て引率の先生と受け入れ側クラスの留学プロジェクト担当の先生方の肩にのしかかってきます。

ここで受け入れたドイツの学生の家に今度は数ヶ月後、泊まりに行きます。共同生活がうまくいかなかった場合は、別の学生の家庭に引き取ってもらうなどは、先生方も真摯に対応、お互いスムーズに良い滞在となるよう臨機応変にケアしているようです。でもそんな風にして何年も伝統的に学生交流が行われてきているのです。

2に続く…

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