2025年10月、栃木県青年農業者海外派遣研修のご一行様がトスカーナを訪問されました。同県の伝統あるこの研修制度は、なんと1987年から続いています。
今年はイタリアを訪問されることになり、私がそのコーディネート兼、ガイド・通訳として同行させていただきましたので簡単にレポートします。
栃木県農業振興公社が主催で毎年開催される研修の旅、同県の若手農家さんの人材育成を目的としており、国際化に対応できる優れた人材育成を目指し、海外の先駆的な農業事情を学ぶ場を設けるという制度なのだそうです。応募対象は18歳から44歳まで。
今年はイタリアが訪問国の対象に。現地の様々な品目を生産する生産農家を巡り、現地のアグリツーリズモ経営の実態を知る旅を実現。農家さんの敷地内にある宿泊施設や提供するアクティビティを体験しながら理解を深める滞在をして頂きました。生産者としての日々の生活、国からの補助や農業団体について、イタリアにはどんな助成制度があるのか、今ある敷地内の状況から法的にどんなことが可能か、どんな歴史をもつ中で今の農家としてのあり方を実現しているのか、かなり入り込んで詳しく教えてもらう場面もあり、様々な角度から視察を行なって頂きました。
トスカーナを巡るとなると、アグリツーリズモの実態調査は欠かせません。国内でもトスカーナ州は最も施設が多い、その歴史や実績のある地域だからです。かれこれ30年以上アグリツーリズモを経営している農家さんは多く、歴史があればこそ、その地域の、これが売れるという一般的な提供サービスの内容、その価格設定の現状などを把握していきやすいです。他、行政も含め農家同士のつながりはどのような状況か、様々な成功例、新しいアイデアやそのあり方等、視察に欠かせない要素が満載の地域になります。
この分野を知るためにイタリアを訪問するのはとても良いのです、その理由は、欧州他国よりも、日本の生産者と規模が似ているケースに出会いやすいからです。イタリアの農家さんは、持ってる畑が5ヘクタール以下や10ヘクタール以下の農家さんはそれなりにいます。周辺諸国へ行くと規模が大きくなり比較しにくいという点があります。
また、視察となると、どこの農家さんも対応してくれるとは限りません。「そんなの忙しいのに迷惑だ」と思う農家さんもそれなりにいますし、かなり口下手な親父さんやそういう対応が苦手な方々もいます。それに対して、話が上手で交流するのが好きな人たちはおり、そういう方々の方が頼みやく、また色々な話をしてくれます。この点、さすがはイタリアと思えるような嬉しい点も多いのです。他、様々な理由で視察として訪問するには向いてない場所もありますし、季節的にちょうど扱う品目の生産で忙しく無理なところなど、色々な要素を踏まえて視察をされたい方々の意に沿うよう、訪問箇所を組んでいかなければなりません。
そのような中、今回は、トスカーナ地方に来るなら欠かせない品目、地域の郷土料理関連と葡萄酒にオリーブオイル生産者を含め、極力、小規模生産者にフォーカスしたり、地元での成功事例を見せてくれる施設、他、将来へ向けて斬新なアイディアを取り入れている施設などを盛り込み、特に、現地イタリアで非常に受け入れられている、一般的なアグリツーリズモの実態が分かりやすい施設を選ぶようにしてみました。
なかなか印象的であったかと思われるのは、畜産農家や酪農農家さんだったでしょうか。地方のやり手農家さんのリアルな日常風景、自前の施設を最大限に活用したアグリツーリズモの実態を見ていただけたものと思います。他、養蜂農家、地域に根ざすオリーブオイル生産者が展開する将来を見据えた農業のあり方、チーズ製造で有名な酪農農家さんの様々な成功のアイディアその見せ方、有名キャンティクラシコ圏のワインメーカーさんの様子など、毎日が驚きと共感と感動の連続で、視察団の皆様と共に、素晴らしい体験を私の方こそさせていただいたなととても嬉しく思っています。



















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