自分のこと

イタリア教育分野・ご縁のあった方々

『松井純子・イタリア教育関連に関する・プロフィール』

イタリア教育分野によく関わったのは8年ほど前までのことでしょうか。
ちょうど我が家の子供たちが生まれる前から小学生の頃までの期間で、自らの子育てにも大きな恩恵をもたらした大切な経験となり、時を得た不思議とも言えるご縁に心から感謝しています。

イタリア教育界というと、モンテッソーリやレッジョエミリアの幼児教育などが特に知られていることでしょう。
私はモンテッソーリ女史の直弟子のお弟子さんという方に何度かお会いし色々お話を伺うことができました。
その他にも、モンテッソーリメソッドの教育者を育てる施設の訪問も何度か経験。モンテッソーリ以外には、レッジョ・エミリア教育研究機関の施設見学、養護学校がないイタリアならではの、インクルシーブ教育に関連する施設見学や現場風景、小・中・高校の見学やインタビューなどに通訳のお仕事として携わった経験があります。

不思議と、自らが子を授かる前に、モンテッソーリの日伊の素晴らしい先生方の懇談の通訳を何度もさせていただき、モンテッソーリの素晴らしいスピリットを教わりました。モンタナーロ・シルバーナ・Q先生著、マリア・モンテッソーリ教育研究所訳の「いのちのひみつ」の本は、私の妊娠期間中の愛読書となり、子供を迎え入れるにあたり大切なヒントを絶妙なタイミングで得ることができました。この際に関わった日本のモンテッソーリ教育界の先生方には今も深く感謝しています。

子供が生まれると、12ヶ月から3歳までイタリアの保育園に入れました。私はイタリアのいくつかの都市で積極的に実施されている、「家庭で運営される市の管轄下の保育園」に子供二人とも送りました。フィレンツェはイタリア国内でもこのタイプの保育園が成功を収めた地域の一つ。特殊資格を持った教育者が自らの家を解放して、およそ5、6人の子供を自宅保育園で預かります。市にはこのタイプの保育園の担当責任者が存在し、保育園のハイクオリティな運営を守るための監査やコラボがあります。私はこのタイプの施設の中で素晴らしい先生方や市の責任者たちに何人も会え、とても子供を可愛がってもらっただけでなく、非常に有効な保育園の在り方に興味を覚えました。

その他、この時期に出会ったのが、ICBA文庫協会です。海外で子育てをしていると、特に子供の幼児期にどうしても気になるのが、自らの母国語をどう学ばせるかです。そのため、日本語の絵本の読み聞かせにはかなり興味を持ちました。ちょうど、ローマでこの協会の文庫活動をしていた方々から話を聞き、早速私が先頭を切って文庫活動を始めました。ありがたいことに地域に同じくらいの年齢の子を持つ似たような日本人家族が複数あり、皆で絵本のグループを立ち上げ、数年間活動をしたのはいい思い出です。

そのうち何度かお願いされるようになったのが、日本の教育者の依頼による、イタリアの学校訪問や教育者へのインタビューでした。これもさまざまな学校と縁を結び、普通の授業風景を見せていただいたり、教育者や校長と話す機会を持つことができました。

中でも印象的だったのが、イタリア教育ならではの、インクルシーブのシステムでした。
イタリアでは、障害のある子供たちは養護学校という隔離された施設に入るのではなく、インクルシーブというシステムの元、通常のクラスに通い、状況に合わせて専門の教育者がサポートに入ります。

このシステムがどう機能しているかはここでは割愛しますが、イタリ教育の素晴らしい点の一つに間違いありません。自らの子供たちのクラスにも必ず一人はいましたので、その親御さんと身近に触れ、笑ったり泣いたりしながら同じ学校の校門を毎日くぐり、子育てをしたのが今では良き思い出です。

お仕事をさせていただきながら、自分の子育ての大いなるヒントをいただけた素晴らしいご縁をこれからも大切にしていきたいと思っています。


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