フォッリア・トンダ Foglia Tonda 意味は「丸い葉」
トスカーナ州に存在した品種の葡萄の葉の形です。
イタリア中部・トスカーナ地方の有名なキャンティ・クラシコ圏の境界すぐ外に畑を持つ、エンリコさん。フィレンツェから10kmの近距離にこの品種を育てる素敵なワイナリーをお持ちです。
エンリコさんの畑は、キャンティ地方の北側にあります。キャンティワインは名前だけはともかく世界中で有名です。キャンティクラシコと呼ばれるワインの名生産地の恩恵にあやかり、この名を持つワインを生み出すのに忙しい周辺生産者さんに囲まれている環境。とにかくキャンティ、キャンティワインを作れば売れる…そんな周辺の思惑の中、この特殊な赤ワインを生み出すまでの彼らの爽やかな汗が弾けるストーリーをここに綴りました。まだ日本未入荷のワイナリーさんです。



2001年、彼は、当時フィレンツェ南に位置する、キャンティ・クラシコ圏最北部地域周辺の生産者さんや関係者の集う夕食会に参加していました。
ワイン業界の者同士、地域の将来の話が出てきましたが、当時の流行としては、フランス流を真似るのが良いという風潮で、勝ち組になるための早道だという議論が交わされていたようです。国際品種を取り入れる生産スタイルとは…みたいな話し合いがやりとりされる中、気概のある小規模生産者さんの数人が言ったそうです…
「フランスの真似をするのが本当に我々のテリトリーの価値を見出すのに良い方法なんだろうか…?」
ここで、エンリコさんはこぶしを打ったそうです。「そうだよな!」目が覚めたように、何かが彼の中で弾けました!
やっぱりそうだよ。おれらの地域ならではの生粋のワインを作り続けられないものか…!
それから探しました。自らの道を求めて。
そういえば、数百年前から忘れ去られた品種があるではないか!
幸いにも当時、大学の研究機関のコラボも重なり、動き出しました。何かが、着実に…。
エンリコさんや関係者は、畑の千の葡萄の木に12種の誰も知らない、皆が振り向かない、土着品種を接木し育ててみました。お試しのワイン生産は品種ごと別々に行うという、気の遠くなるような徹底的な調査が何年もかけて行われました。
次第に、自分たちの畑によく育つ品種が絞られていきました。うちの畑に一番相性が良いのはどの葡萄?それを問い続ける時期がしばらく続きました。
そんな生産者の汗の結晶からこの土着品種、フォッリヤ・トンダのワインが誕生しました。キャンティ・クラシコのこの地方で一番目立つ品種のサンジョベーゼ種が長男で輝かしい「兄さん」なら、フォッリヤ・トンダは「一番下の弟」みたいな存在でしょう。このフォリア・トンダのワインは、エンリコさんのワイナリーの看板商品になっています。
昨今、こだわりの生産者たちの中で、キャンティ・クラシコ・ワインのブレンドにこのフォリア・トンダを使う傾向は増えていきました。キャンティ圏に古くから育った品種です。立派にこのテリトリーを表現する葡萄で、キャンティ地方のコアな農家さんが好んで使うようになってきています。
「うちの畑には、この子が最もその良さを発揮して育ってくれている。」
一番強みを発揮する場所、そう、相性が良かったのです。
うちの自慢の葡萄品種。
元々この地方に育った、れっきとした品種の中から選び抜き、畑と葡萄品種のマッチングを探り、何年もかけて丁寧に今日まで畑と向き合ってきたエンリコさん。



彼らが世に出す、実に満足度高い珍しいワインは納得のクオリティで地元の人々にもとても好評です。製造方法にもこだわりを見せ、これまたテリトリーの伝統を守っています。このワインに特有の味と香りをもたらすために、テラコッタの壺を使っています。テラコッタとは、イタリア庭園でよく見かける、庭の植木の鉢と同じマテリアルです。テッラコッタ製の壺に、およそ10ヶ月ワインはねかされ醸成されるそうです。試飲をする際には、小さいけれども、見事な自慢の畑を目の前にしながら、素敵なロケーションでワインテイスティングを楽しむことができます。
このワイナリーを訪ねて見たい方、フィレンツェで3、4時間ほどお時間があるなら可能です。タクシーで片道30分、現地で2時間、お帰りにまたタクシーで45分、このイメージに前後余裕を持たせて検討してください。
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